上々、花日和
「えっと…」
頭の中が真っ白な私。
「とは言え、イキナリじゃダメだよなあー」
私の手を離し、手を頭に回してソファーに深く腰掛ける永富さん。
私は言葉が出ない。けど…
「…ゆっくりで…私は永富さんのこと知らないけど…いいですよ」
「え」
自分にびっくりだ。昨日会ったばかりなのに、こんな言葉を出してしまうなんて…旅で浮かれて判断力が狂っているのか。
「かっ、軽いとかっ、思わないでください」
「ぷっ、ハナちゃん…可愛いね」
「…っ」
肩を引き寄せられた…そして耳元で、
「大丈夫、襲ったりしないから」
「!?そっ、そんな軽くないですからっ!」
「俺も軽くないから」
ドキドキが止まらず高まるばかりだった。
『俺と…付き合って欲しい』
その言葉がすぐに消える訳もなく…ひとつひとつの動作が挙動不審になる私。
一緒にいるのは、素敵って一括りにできないくらいの男性。
私は面食いじゃないけど、永富さんはいわゆるイケメンってやつだ…