上々、花日和


ランチのあとはひとりでビーチを散歩したり、海に足を浸けてみたり…
永富さんが近くにいると、さっきのその言葉を思い出してしまって固まってしまう。
だから、少し離れていた。

それを察してか、永富さんは無理に私と一緒にいようとはしなかった。
少し話をしたら、リビングでくつろいだり、時々かかってくる携帯電話で仕事の話をしていた。

そんな感じのまま夕方になり、永富さんのお友達が家にやって来た。

「こんな可愛い彼女と一緒とはな」

「…まあな」

照れ気味だけど、それついさっき生まれた話ですから。


永富さんの家にやって来たのは、大学の同期の池田さん、池田さんの彼女の瑞希さん、エドワードとジョエルの4人。

英語での会話がほとんどで、さっぱり理解できずずっと目を丸くして5人の中にいた。

「ハナちゃんは東京でOLさん?」

と気さくに話してくれるのは瑞希さん。
日本人なのにすごくイメージが違う気がするのは、焼けた肌のせいなんだろう。
同じ日本人なのに全然違う。

「あ、ハイ。ずっと会社員やってます」

「ふふっ、そうなんだ」

「瑞希さんは何をしていらっしゃるんですか?」

「私?私はね、こっちでツアーなんかのガイドをね。やっぱり日本語と英語が使えるとそうなっちゃうのかなー」

女二人は自己紹介をしつつ、洗い物をする。

「ハワイ…そんなに興味なかったんですよ…」
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