上々、花日和
「ハナ…ちゃん?」
「…ごっ、ごめん…なさい…」
「どした?気分悪い?」
「いや、そうじゃなくて…私…疑ってしまった…永富さんのこと」
「えっ、」
永富さんの表情が変わる。
「行き先もわかんないし、昨日今日会った人と付き合うことになって…舞い上がってたのは自分なのに…」
「ごめん…」
「旅行の浮かれ気分で…今が楽しいからそれはそれでいいって思ってたけど、怖いことがあったらどうしようって勝手に考えちゃって…」
バタバタ音を立てていたバギーのエンジン音が止まる。
「ハナちゃんごめん。そんなふうに思っていたのか…やっぱり…かなり強引だよな、俺の態度は」
バナナのトンネルは静まり返ってしまった。
「でも、嬉しい気持ちは嘘じゃないです…」
「俺は…好きだよ、ハナちゃんのこと…でも、面識もなくて不安だよな。ハナちゃんの友達に頼んでハワイまで来させたり、前から知っていたから付き合ってって言うのは…やっぱり無理があるよな…」
私は…つい2日前に出会った人をすんなりと受け入れて、嫌な思いはした?していないよね?騙されるとか疑った自分は何?