上々、花日和
「どうも、開発部の永富です」
ニヤリと笑う永富さん。細身のスーツにスパイスを効かせるような黒いフレームの眼鏡が似合って素敵と言うより、美しい。
「えっ、なっ、なんでっ、」
タジタジになるしかない私。同じ会社だったの!?
「まあ、話はゆっくりと。コーヒーでも飲む?美味しいアイスコーヒー貰ったからさ」
私の返事を聞かずに冷蔵庫からアイスコーヒーを取り出しグラスを用意する。
「じっ、自分でやりますっ」
部長室のソファー座り、アイスコーヒーをローテブルに置く。
「それで…経緯をご説明ください…部長」
キリリとししている私だけど、この間一緒に過ごした時には見せなかった眼鏡やスーツ姿は私の心をくすぐる。
「部長って、なんだか他人行儀だなぁ。やっと打ち明けることができるのに」
「そうは言っても仕事中です」
「そうツンツンしないでさぁ」
「…」