上々、花日和


ツンとした態度の私にやれやれといった表情でコーヒー片手にソファーに座る。こちらは心臓がバクバクしっぱなし。

「最近、日本に戻ってきたんだよ。今年の3月に」

「それまではどちらに?」

「オーストラリア」

「へぇ」

「そろそろ本社戻って来いって親父がうるさくってね」

「お父さん?」

「そう、ここの社長は俺の親父」

その言葉に一瞬固まった。あれ?

「えっ!?社長って名前は…あれっ、羽生じゃ…」

「親は離婚してるから、俺が高校生の時に。兄貴は親父のところ行って、俺は母親のところに残った」

「そうだったんだ」

「大学はやっぱりハワイの大学に行きたくてね。卒業後に入社してから開発部。英語ができるってことでずっと海外組だった」

なるほど。
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