上々、花日和
「それで…今日、伊東さんをお呼びしたのは他でもない」
「は、はい」
スイッチが業務モードに切り替わる。
「企画部で良い仕事をするという噂の伊東さんと俺が一緒に仕事をする」
「…うわ、職権乱用…」
「いや、真剣に」
そう言うと今まで少し緩んでいた永富さんの顔が真面目になる。
「はい」
「少ししんどい部分もあるかと思う。俺はそれを君と乗り越え成功させたい」
覚悟はあるか?
と言ってるようで、これは冗談じゃないことが伝わってくる。
「よろしくお願いします」
やってやろうじゃないの。断る理由はない…はず。
「そんなわけで、今夜空けておいて。連絡する」
「え、あ…それは業務的な話ですか?」
「いや、プライベート」
「ぶっ」
真剣キープで言うから吹き出してしまった。