SS男子の落とし方
「...たまには餌でも与えねぇとな。」


「また犬扱いですか。」


だけど...嫌じゃなかった。

私、物で釣られてる?


「単なる気まぐれだから、
気にすんなよ。」


地面に置いていた私の荷物を持つと、咲也君は駅に向かって歩き出す。


「咲也君!!ありがとう!」


紙袋だけ持ったまま
咲也君の背中に向かって叫んだ。


「分かったから、早く帰るぞ。」


咲也君が前を向いたまま
手をヒラヒラさせた。


ちょっとカッコいいかも。

って、違うよ!

駄目だ...

完全に咲也君のペースに巻き込まれてる。
< 132 / 379 >

この作品をシェア

pagetop