SS男子の落とし方
「んなもん、俺が覚えてる訳ねぇだろ?」


「え?でも、覚えてたじゃん。」



はぁーっと咲也君が大袈裟に息を吐く。



「だからだな...
それに誕生日プレゼントだとか、
特別な意味はねぇから勘違いすんな。」


私が手に持っていた紙袋を指差す。


「照れてるの?」


「 あ"??」


「調子に乗りました、すみません。」


威嚇されてそれ以上聞けなかったけれど、咲也君の優しさが嬉しかった。


「気持ち悪いからニヤニヤしないでね。」


そう言いながら、私の頬を引っ張る咲也君。
< 137 / 379 >

この作品をシェア

pagetop