SS男子の落とし方
「で?好きなの?」

突然、躊躇うことなくそう訊いてきたのは、勿論せっちゃんだった。


「いきなり過ぎでしょ?」


トイレで手を洗いながら、鏡ごしでせっちゃんを見た。

授業が終わって、今はお昼休みだった。


「いや、海デートの話をしといて『好きとか分かんない!』とかそりゃ無いわ。」


両手を上げてヤレヤレ、とせっちゃんが呟く。


「今まで好きな人とかいなかったから、イマイチ根拠と言うか...勘違いしてるのかもと言うか...」



私がゴニョゴニョ言っていると


「じゃあ、好きになれ!
椎谷君に恋をしろ!!」


耐えきれなくなったせっちゃんが、ビシッと私を指差して言い放った。


出た...

たまに入るせっちゃんの変なスイッチ。

面倒大嫌い人間なのにキャラが...

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