SS男子の落とし方
「私、咲也君のことー」


「なぁ、芽依。」

彼女の言葉を遮った。

きっと大切な話だったのは気付いていた。


「え?」

不意をつかれた芽依が、ただじっと俺を見た。


「偽は嫌なんだろ?
だったら、もうやめよう。」


「え?ちょっ...」


「安心しろ。
変態だとか、んなもん忘れてやる。」


ぽん、と芽依の頭に手を乗せた。


泣くなよ、芽依。

無責任だけど、そう願った。


「良かった...解放されて。」

強がりなのは気付いている。

だけど、気付かないフリをした。

傷つけるって分かってても。


「じゃあな。」

それだけ言って、廊下を出たー

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