SS男子の落とし方
「じゃあな、芽依。」


気がつくと家の前だった。


「ちょっと待って!」


来た道を引き返して家に帰ろうとする咲也君を呼び止めた。


「何?」


もう少しだけ一緒に居たくて思わず呼び止めてしまったが、その先が見つからない。


"もう少し...咲也君と一緒に居たいの"


...いや、駄目だ。

これが許されるのは、少女漫画の中だけだよ。

もしくは美人限定。

少なくとも私は使用不可能だな。



俯いてウーンと考えていると


「もう少し、咲也君と居たいの。」


と耳元でそう聞こえた。


言ったのは勿論、私ではない。

SS王子の顔をした咲也君だった。
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