SS男子の落とし方
「私ね...
ずっとイジメられてたの。
ほら、皆と見た目が違うし。

ハーフじゃなかったら良かった。

綺麗な黒髪に黒色の目が良かった。

皆んなと同じが良かった。

ってずっと思ってたの。」

唐突に、マリアちゃんがそう話した。


きっと私の想像以上に辛かったんだろうな。


「マリアちゃんはそのままでも綺麗だよ。
憧れるくらい...」


つい本音が漏れると、マリアちゃんは驚いた顔をした。


「ふふっ。咲也と同じだ。」


「え?」

咲也君の名前に無駄に反応してしまう。


「皆が私を嫌う中、咲也だけは違ったの。
『皆んなが皆んな同じだったら気持ち悪いだろ。
気にすることない、俺は羨ましいよ。』って励ましてくれて、守ってもくれたの。」


咲也君の優しさをマリアちゃんも知ってた。

私よりずっとずっと前から。

自分の中で黒い何かが大きくなった気がした。
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