SS男子の落とし方
「その時から、私の中で咲也は特別なの。
咲也さえ居れば...ううん。
咲也しかいないの。」


何だろ?

何かが引っかかった。


「芽依ちゃんには友達が沢山いると思うけど、私は違うの。」


その言葉の意味くらい、馬鹿な私でも分かる。


「マリアちゃんは学校に友達がいないの?」


「いないよ。
小学校と中学校ではイジメられてたし、高校では入学してすぐ体調を崩して学校を休んでたら、どうしたら良いのか分からなくなっちゃって。
そもそも、誰も私になんて興味ないから...」


「それって決めつけてない?」


思わず言ってしまった一言に、マリアちゃんが固まった。


「あ...ごめんなさい。」

居た堪れなくて立ち上がった。


「確かに私には友達がいる。
でも、咲也君の代わりにはならないから...」


失礼します、とマリアちゃんに頭を下げて、逃げるように喫茶店を出たー
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