SS男子の落とし方
『クリスマスの日、咲也と私が一緒にいたの知ってるよね?』


『プレゼント渡しただけだって、本気で思ってるの?
二人きりで部屋にいたんだよ?』


あの日私はマリアちゃんに、ふわふわした口調でサラッとそう言われた。


「でも...4時間後には戻って来てくれたし、キスしたことは謝ってくれたし...」

しどろもどろになる私をマリアちゃんが冷たく笑う。


『ふふっ、芽依ちゃん。
4時間あれば色んなこと出来るよ?』


「い、色んなこと?」


『小学生じゃないんだから、それくらい分かるでしょ?』


髪を掻き上げて微笑むマリアちゃんは、大人っぽくてやっぱり綺麗で、"自分は平凡なんだ"と改めて私に実感させるどころか、私を子供にさせた。
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