SS男子の落とし方
「まだ他に何か?」

再び掛かってきた電話に出ると

『ごめん、ごめん。
彼氏の趣味なんだから許せよ。』

笑いながら咲也君が謝った。


「偽彼氏の変な趣味に正月から付き合いたくない。
トキメキ返してよ。」


『ふふっ、やっぱり喜んじゃってたんだ。』


「もう、電話切っても良いかな?」


『ストップ!分かったから。』

暫く咲也君の笑い声が聞こえていて、落ち着いた頃には私の不安も消えていた。


『芽依にさ、お願いがあって電話したの。』


「お願いがある人にでも、咲也君はあんなことするんだね。」


『お願いがあるからこそ、喜んで貰おうとしたんだよ。』


人間性に難ありっと。
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