SS男子の落とし方
「咲也君って...」

そこまで言って黙ってしまった。


『咲也君が何?』


「浮ついた気持ちとかってまだあるのかなーと。」


『要するに、浮気してるかってこと?』

はぁーっと飽きれたように、咲也君が息を吐いた。


『また兄貴に変なこと吹き込まれたか?』


「そうじゃないけど...何と無く。」

マリアちゃんの話は持ち出したくないと思った。


『前に言ったけど、浮気ならしねぇよ。
まぁ美人が歩いてたら、お茶くらいはするかもな。』

美人か...
咲也君が本気で言ったんじゃないのは分かってる。


『おい、放置か?
何か突っ込めよ。』


「あぁ、ごめん。
浮気の線引きって難しいね。」

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