SS男子の落とし方
「...少しくらい信用しろよ」

ぺちっと咲也君にデコピンをされた。


「痛っ。」

防御の為に額を押さえた。


「だって、関係ないかなって。」


「関係ない?」


「うん。
咲也君が浮気者でも好きだから、気にしなくて良いや。」


あははっと笑うと、「芽依。」と真剣な表情をした咲也君に呼ばれた。


「な、何?」

その顔に心臓が跳ね上がる。


「...可愛い。」


「は?」

今のって...
聞き間違いだよね?


「忠誠心の高い犬みてぇで、可愛いって言ってんだよ。」


「い、い、犬扱いしないでよ!!」

危ない...
喜びそうになった。


「ふふっ。
うっかり喜びそうになったでしょ?」


Sの顔を隠した王子が私の頭に手を置いた。


「...喜んでないし。」


「ふーん。」

ニヤニヤしながら私をじーっと見る咲也君。
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