SS男子の落とし方
ゆっくりと顔の距離を縮めていく咲也君。


こ、ここ教室ですけど!!

声が出せない程、ドキドキして苦しい。

拒めないよ...

胸の前でギュッと両手を握り締めて、強く目を閉じた。


すごく長く感じる。

焦れったいってこんな気持ち?


咲也君に訊きたいことや言いたいこと、沢山あるんだよ。

だけど、今はどうでも良くなる。




「...また今度。」


パッと目を開けると、至近距離に咲也君の顔があった。


「へ?」


「そんなにチューしたいなら、期待に応えるけど?」


「結構です!」


咲也君から逃げて、自分の席に戻った。

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