SS男子の落とし方
「いつまで固まってんだ。
帰るぞ。」
鞄を取って片手を芽衣の方へ伸ばす。
「....。」
俺の手をじーっと見つめたまま、握ろうとはしてこない。
「なんだ?」
「いや、やっと繋げるんだなーって。」
「は?いつも繋いでたじゃねぇか。」
「偽彼女の時とは別だよ!
ちょっと嬉しい...?」
「あっそ。
疑問形なのが腹立つな。
...手疲れるから、早くしんねぇと止めるけど?」
そう言うと、慌てて芽衣が俺の手を掴む。
「必死だな。」
まぁ、悪い気はしねぇ。
少しニヤついたかもしれない顔を隠して、教室を出た—