SS男子の落とし方
「誰かが持って行ってくれたとか、他の考えは出てこないの?」


「え?
誰が?何のために?」


確かにそうだ。


「...芽衣のことが好きだった奴とか?」

精一杯考えたけど、これしか出てこなかった。

通りすがりの人が知らない奴の為に、ゴミを捨てに行くことなんてそうそうない。



「えー!?
もしそうなら、困っちゃうよね?
私が好きなのは咲也君だから。」

自分で言っといて照れる芽衣に、何とも言えない感情が湧いてくる。


無意識に芽衣の顔に近づくと、時間の流れが止まったように感じた。


ここが学校だとか、誰かが見てるとか、どうでもいいや。


ただ芽衣に—
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