SS男子の落とし方
「入学式の頃から気にはなってたよ?」

クスっと笑いながら、指で私の髪の毛をくるくるして遊ぶ。


「はいはい、嘘ばっかり。
私のこと知らなかったくせに。」


「それは芽衣もでしょ?」

否定は出来ない。

咲也君の本性は勿論、SS王子の存在すら知らなかった。


「強ち、嘘じゃなかったんだけどな。」

咲也君がポツリと呟く。


「うん?」


「いや、芽衣は色々と俺の予想を微妙に超えてくるなと。」


「それ、褒めてないよね?」


「芽衣次第かな。」


うーん、と考えてみたが、絶対褒めてない。

咲也君を盗み見ようとしたら、バッチリ目が合ってしまった。
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