SS男子の落とし方
「芽依、今日は一緒に帰るよ。」


朝一番に咲也君に言われた。



「う、うん。」


隠し事が苦手な私は勿論、昨日の今日でいつも通りに出来ない。


どうしても昨日のあの場面を思い出してしまう。



「芽依...
いつも以上に変だよ?」


「煩い...」


「調子に乗ってる子には悪い事するぞ?」


「すみません。」


言い返す気も起こらない。



「オイオイ。本当に大丈夫か?
一応、彼氏なんだから芽依には元気でいてもらわねぇとな。」


その言葉に咲也君を見てしまう。


「芽依が倒れたら、どうせ俺が保健室に運んだりしねぇといけねぇんだろ?
面倒だから気を付けてね。」


...誰か彼に『優しさ』を教えてあげて下さい。
< 87 / 379 >

この作品をシェア

pagetop