嘘と微熱と甘い罠
イライラとモヤモヤ
「…じゃ、お疲れーっす!!」
「お疲れさまでーすっ」
今日は仲の良い同期での飲み会。
部署は違っても、こうして2ヶ月に1回くらいは集まっている。
まとめ役の営業部の男子の声に合わせて。
ガチャン、とジョッキをぶつける音と同時。
あちこちで咲きはじめる話の花に。
周りが一斉に賑やかになった。
「あれ?相良くんは?」
「天沢ぁ、相良どうした?」
「相方いねぇじゃん」
いつも私の隣にいる相良がいないせいか。
周りが煩い。
てか相良は私の相方じゃないからね。
そこんとこわかって?
私は誰にも気付かれないくらいの小さなため息を吐くと。
何回も聞かれるその問いに答えた。
「残業。終わったら来るって言ってたよ」