嘘と微熱と甘い罠
「な…っ!?」
私は目を疑った。
インテリアは黒とグレーでまとめられたシンプルな部屋。
…ここは、私の部屋じゃない。
じゃあどこだって話なんだけど。
ここは…前にも来たことがある。
間違いない、相良の部屋だ。
なんで、なんで、なんでっ!?
なんで私、相良の部屋にいるの…っ!?
しかも私が今いるここって…。
相良のベッドじゃん!!
なんで相良のベッドになんて寝てたのよ!!
なんで、なんでと疑問ばかりが頭に浮かぶ。
でも、わからない。
いくら記憶を手繰り寄せようとしても。
手繰り寄せたい記憶が途切れてる。
誰かこの状況を教えてーっ!!
ベッドの上で頭を抱えていると。
カチャ…と遠慮気味に部屋のドアが開けられた。