嘘と微熱と甘い罠
な、な、何言ってんの!?
しかも誰が見てるかわからないようなこんなところで。
なんで私、相良に抱き寄せられてるの!?
…身体の奥から上がってくる熱と。
言われた言葉に対しての恥ずかしさに顔が熱くなる。
顔だけじゃない…身体中に熱が広がっていく
そんな熱を帯びている私の身体に巻きついている腕に。
相良はキュッと力を込めた。
「でも、お前が笠原さんのものでいたいなら連れて帰れない。だから…天沢、お前が決めて…?」
首元に埋められた相良の髪からは。
甘過ぎない優しいシャンプーの匂いがする。
それに調和するように相良からは爽やかに甘い香水の匂い。
それだけでも身体の熱は上がっていくのに。
耳元を擽る囁くような相良の声。
その声に形はないのに。
縛られて、触れられて、喰むられて…。
弄ばれているような感覚が私の身体を襲う。
声だけなのに、中から犯されていくように。
身体の奥が疼いた。