嘘と微熱と甘い罠
薄明かりに浮かぶ相良の身体は。
見ているこっちが恥ずかしくなるくらい綺麗だった。
当たり前だけど、スーツを着ているときとはまるで違う。
造形物のような整った引き締まり方。
この身体にこれから抱かれるんだ。
そう思うだけで。
私の身体の奥は疼き、そして熱を発していく。
「…どした?」
「…綺麗だな、と思って」
そう言って、思わず手を伸ばした相良の胸元は。
見た目通りの感触で。
筋肉質なのにしなやかで、服を着ていないのに温かくて。
触れている指先から吸い込まれてしまいそうになった。
「綺麗だ、って言うなら俺よりお前だよ」
相良が胸元に触れている私の手を握り、そのまま自身の口元に持っていく。
チュッ、という小さなリップ音と共に、指先に柔らかい感覚を落とすと。
握っていた手はそのままに。
相良は私の隣に身体を寄せ、逆の手で私の身体に指を這わせ始めた。