嘘と微熱と甘い罠
触れているのかわからないくらいにゆるゆると。
相良の指先は下着のラインをなぞるように動いていく。
胸元から脇腹、そこから腰まわりへ。
相良の指の動きに合わせて、ゾクゾクとした感覚が走る。
「…こんな一筆書きしたみたいに綺麗な曲線目の前にして…」
ちょっと掠れた相良の囁きは、耳を通り腰へと抜けていく。
腰を抜けていく声は、私の身体の中心を煽るのを忘れない。
「…がっつくな、って方が無理な話」
「…ッ…」
腰に指先を滑らせていた相良が。
言葉の終わりと同時に私の腰をグイッ、と抱き寄せた。
「…この間の分まで抱くからな」
「お…お手柔らかにお願い、します…」
「それは期待しないで」
耳元で相良が囁いたため息混じりの言葉は。
ゾクリ、と悪寒にも似た感覚と一緒に。
また私の身体の奥を疼かせた。