嘘と微熱と甘い罠
「相良くんって言ったら同期ナンバーワンでしょ!!」
「背も高くてかっこよくて仕事もできる、なんてモテ要素だらけじゃない!!」
「天沢は近くにいすぎてわかんないんだよ!!」
…って、同期の女の子たちは言うけど。
言い合いばっかりの私には。
いまいち理解ができない。
顔はいいだろうけど、性格がなぁ…。
なんたって、お花畑…。
「…相変わらずモテるなぁ、相良は」
「…っ!?」
うーん、なんて考えていると。
ふいにヒョイ、っと私の顔の真横に突然現れた顔。
そして。
聞き覚えのある声。
「か、か、笠原さんっ!?」
「おー。そっちの課長から相良と天沢が行くからって連絡もらってさ」
遅いから迎えに出た、と付け加えながら。
頭ひとつ違う私と視線を合わせた。