嘘と微熱と甘い罠
今、この快楽のためだけじゃない。
相良の身体も心も、全部が欲しい。
「…バカ、煽るんじゃねぇよ…っ」
「…ッ!?」
「俺だって…そんな余裕があるわけじゃねぇんだから…なっ」
浸ってる暇なんてなかった。
さっきまでとは比べ物にならない質量が私の中に入り込んでくる。
「んっ…苦し…っ」
「力抜け、って…入んねぇだろ、がっ…」
感じたことのない圧迫感に、無意識に身体を捩ろうとしたとき。
グッと私の腰を掴み、押し進めてきた相良との隙間が埋まった。
「やっ…んっ…!!」
「もっと…欲しがれっ…ッ」
「や、ダメ…ダメッ…やぁ…さが…ッ!!」
「そう、やって…俺のこと、だけ…ッ、呼んでろっ…!!」
揺らされる身体、乱れる呼吸。
与えられる、甘い刺激…。
…あぁ、もう。
溺れてる、溺れきってる。
私は相良が…。
「ほの、か…ッ…!!」
相良が耳元で切なそうに名前を呼んだと同時。
私は意識を手放した。