嘘と微熱と甘い罠

く…喰っちゃう!?





相良の口から出た言葉に、思わず目を見開いた。





だってさっき。

「ココ、職場だから」とかなんとか言って、不機嫌全開だったよね?

それなのに薄ら笑いはするわ“喰っちゃいますけど?”とか。

意味がわからないっ!!





だけど。

身体は正直で、奥の奥から熱いものが込み上げてくる。

どうしよう。

今、絶対顔赤い。

顔を逸らしたくても逸らせないまま。

ため息なのか吐息なのかわからない。

囁くような相良の言葉は、そのまま続けて耳元を通っていく。





「俺だって、昨夜のお前を頭の隅に追いやるのに結構必死なわけですよ。それをわざわざ煽ってくれるって…」

「……ッ…!!」





ハァ…と項垂れた相良だけど。

…唇が、触れてるんです。

アナタが唇を開くたび、私の耳にアナタの唇が掠めるんです…。




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