嘘と微熱と甘い罠
「下着ってさ、自己満足な部分だよな」
「え、ちょ…相良っ!?」
「基本他人にどうこう言われたり、見せたりする部分じゃないし」
さっき小さく聞こえた無機質な音の正体も。
今となってはありがたい。
なぜなら今、私は。
人様にお見せできないような格好になりつつあるから。
「な、何すんのよ!!」
「企画の説明だよ。身体で覚えとけっつったろ?」
「な…っ!!」
プツン、プツンと相良の長くて骨っぽい指が。
私のブラウスのボタンを外し、胸元を外気に晒していく。
時おり触れる相良の指先は、私の肌より少し冷たくて。
その冷たさがまた私の心臓の動きを速めていく。
これのどこが“企画の説明”だっていうのよ!!
説明に託つけたただのセクハラじゃないっ!!
…そう言葉に出したかったのに。
言葉は出てこなかった。
「…ッ!!」
その間に、相良の片腕が私の腰を抱き寄せ。
はだけた胸元にそっと指を這わせてきた。