嘘と微熱と甘い罠
服の上からじゃない、素肌に感じる相良の指先に。
腰の辺りからドクンドクンと熱が込み上げてくる。
その熱が身体中に広がって顔まで熱くなってきた。
「自己満足な部分、とはいえ。あれだけ展開されてるってことは、買い手各々にこだわりがあるってことだよな」
「…ッ…!!」
視線も指先も私の胸元に向けられ。
指先は下着と素肌の境目をなぞるように。
スルスルと指を滑らせる。
その感覚がもどかしくて体を捩った。
でも、そんなのは関係ないらしく。
相良は指先で触れ続け、言葉も続けた。
「天沢の…下着を選ぶ基準って、なに?」
「え…?」
「色、形、機能性…何を考えて買おうって決めるの?」
相良の言葉に頭の中が動く。
何を…って…。
好きな色とか付け心地…かな。
でも一番は胸がスッキリ、きれいに見える…これだと思う。
あとは…。
答えの続きを考えたら、体温がまた上がりそうな気がした。
そのとき。
相良はまた私に触れている指先を動かした。