嘘と微熱と甘い罠
「…なに想像してる?」
「えっ!?」
「顔、真っ赤」
「…っ…笠原さんのせい、ですっ…」
「ハハッ。俺のせい?」
私が何を想像してたかなんてお見通しのくせに。
ホント、意地悪なんだから…。
急激に上がった体温も。
気休め程度にパタパタと熱くなった顔を手で扇ぐと多少落ち着いてきた。
その時。
視界の隅に人影が入った。
その人影はそのまま真っ直ぐこちらに向かってきて。
近くまで来ると。
冷めた声で言葉を発した。
「…仕事中にイチャつくの、やめてもらえます?」
…相良だ。
可愛い子ちゃんとの話が終わったらしく。
私と笠原さんのところに来ていた。