嘘と微熱と甘い罠
笠原さんは戻っちゃうし、相良はスタスタ行っちゃうし。
もう、わけわかんないっての!!
慌てて相良を追いかけた私は。
後ろから相良を呼び止めた。
「ちょっと、相良!!」
「…なんだよ」
鬱陶しそうに相良が振り向いた。
「勝手に話決めないでよ!!私は課長から別案出せなんて話聞いてないけど!!」
「あー…それ嘘」
「なによそれ!!それに今日は笠原さんとご飯行く約束してたんだからね!!」
課長から別案出せ、なんて怖い嘘。
なんでつく必要があるのよ!!
意味のわからない相良の嘘に。
思わず拳を握りそうになった時。
相良は眉間にシワを寄せ、言葉を吐いた。