嘘と微熱と甘い罠
「…デート?」
私の頭の中を見透かしたかのように。
ニヤリ、と相良は口元に笑みを含ませた。
「な、なんで…」
「顔、緩んでるから」
「んなっ…」
緩んでるって。
緩んでるってなによ!!
なんかだらしないみたいじゃない!!
「じゃ、お先に」
「お疲れ」
自分のパソコンの電源が落ちたのを確認すると。
私は席を立ち。
相良に声をかけた。
と、ほぼ同時。
手に持っていたケータイがブルブルと震えだした。
「あ…」
ケータイの震えはすぐに止まり。
代わりに画面にはメールマークが浮かび上がった。