嘘と微熱と甘い罠
「…プッ…ププッ…」
視線を逸らし、グラスを傾け。
シャンパンに視線を落とす相良は。
笑いを堪えきれないらしく。
それでも堪えようとして、顔が思い出し笑いで歪んでいる。
「…なによ」
「いや…プッ」
「だからなによ」
吹き出しながらも、必死に笑いを堪えようとしてる相良。
…失礼だな、こいつ。
そう思いつつも、相良の作ったおつまみに再び箸を伸ばす私。
…と、同時に。
相良が困ったような堪えた笑みを浮かべながら、言葉を発した。
「…腹の音」
「…ッ!!」
相良のその言葉に反応するかのように、フラッシュバックするさっきの出来事。
だけど。
甦ってくるのはお腹を鳴らした羞恥心だけではではなくて。
相良に与えられた中途半端な熱までもが併せて甦ってきた。