嘘と微熱と甘い罠

ん?

なに?

なんで相良は私を指差してんの?





私のその疑問は。

次の相良の言葉ですぐに解消された。





「なればいいじゃないですか、女友達」





コレと、と言わんばかりに。

やる気なさそうに指を差す。

そして。

やっぱりやる気なさそうに付け足した。





「…キャンキャン噛みついてきますけど」

「相良っ!?」





このヤロウ。

笠原さんの前だからって調子にのって。

私がいつキャンキャン噛みついたってのよ!!

いつだって噛みついてくるのは相良のほうでしょうが!!





「…それは無理だな」





ハハッと軽く空笑いをした笠原さんが。

目を細めた。



< 33 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop