嘘と微熱と甘い罠
なんて。
頭の中で相良をどうしてやろうか、とか。
コラボって共同作業のことだよね。
だったら先方も考えてくるのかなぁ、とか。
グルグルと考えていたら。
隣のデスクから声が聞こえた。
「天沢、昼飯どうすんの?」
「うわぁっ!!」
「…なんだよ、その化け物に遭遇したみたいな驚き様は」
「や…な、なんでもないっ!!」
変なヤツ、と。
相良が怪訝そうな顔を見せたのは。
スルーしておくことにしよう。
「で、なに?」
「昼飯どうすんのって。外出る?」
正直、つまってる。
コレだ!!…っていうアイデアが出てこなくて。
すべてが机上の話、画面の物になってる。
…リアリティーがない。
「外出て気晴らしする」
「じゃ、行くか」
そう言って相良は。
自身の左腕に巻いてある時計をトントン、と指差した。