嘘と微熱と甘い罠
「天沢と相良じゃん」
「飯まで一緒ってどんだけ仲いいんだよ」
相良はアサリのパスタとミニピザ。
私は茄子ときのこの和風パスタ。
テーブルの中央に置かれたシーザーサラダに手を伸ばした時。
後ろから聞こえた聞き覚えのある声がした。
振り向くとそこにいたのは。
営業部にいる同僚だった。
「同期だし、同じ部署だから」
「いやいや、そういうことじゃなくてね」
相良と私が座っている4人掛けの空いている席に同僚たちが座る。
そして。
相良と私を交互に見ると。
ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべた。
「…何を期待してんだよ」
「何って、なぁ」
「なぁ」
相良は眉間に薄らシワを寄せ。
同僚たちはニヤニヤしながら言葉を続けた。