嘘と微熱と甘い罠

「結構聞かれるぜ?企画部の相良と天沢はデキてんのかーって」





自分らがオーダーしたものがテーブルに運ばれてくると。

同僚たちは食べながらまた言葉を続ける。





「あ、俺も聞かれる」

「だろ?」





デキてない、デキてない。

ただの同僚だし、男友達だし。

それ以上でもなければそれ以下でもない。

君たち、面白がってるだけでしょ?





「俺はお前らお似合いだと思うんだけどなぁ」

「…だってよ?どうする?」





食後に頼んだアイスティーに口をつけた時。

相良までがその話に乗り始めた。





どうするもなにも。

私には笠原さんがいるんだってば!!

バカ相良!!

相良まで話に乗るな!!





…そういえば。

相良ってモテるくせに“彼女がいる”って話、聞いたことないな…。

今度飲みに行ったらその辺り突っ込んでみようかな…。




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