嘘と微熱と甘い罠
「ーごめん、な…」
「ー仕事、じゃ…仕方な…ッ…」
汗ばんだ素肌に包まれ。
背中側から与えられる規則正しいリズムに合わせて身体が揺れる。
バーを出て。
連れてこられたのは賑やかなネオンを携えたラブホテル。
シャワーを浴びる時間すらなく。
部屋に入るなり、笠原さんは私を抱き寄せ。
着ているものに手をかけた。
頬に、首筋に、鎖骨に。
自身の唇を移動させながら、私の服を脱がしていく笠原さん。
触れたかったのは私だけじゃなかった。
笠原さんも同じだったんだ。
そう思えば思うほど。
私の奥の方から熱が込み上げてきた。
「ー天沢っ…、締めすぎ…っ」
「ーはぁ…んっ」
「ーあ…もう、俺…」
「ーやぁ…ッ!!」
小刻みな波は。
一気に大きな波を呼んだ。