嘘と微熱と甘い罠
情事の後。
シーツに包まれたまま。
まだ呼吸も落ち着かない私とは違い。
背中を向け、後処理をしている笠原さん。
最中はあんなに熱いのに、終わった後はすぐに背中を向けられる。
いつものことだけど。
仕方ないのもわかってるけど。
やっぱり慣れなくて…寂しい。
「…笠原さん」
ベッドサイドに腰かけ。
下着を身に付けている笠原さんに私は問う。
「私が相良と2人で出かけるの、気にならないですか…?」
でも。
笠原さんはその問いには答えてくれなくて。
「土曜日、楽しんでこいよ」
そう言って額に小さなキスをくれた。