嘘と微熱と甘い罠

なんて考えていたら。

相良が私の手からストールを取り上げて。

私の首もとにフワリ、と巻いた。

そして、表情そのままに。

巻いたストールの手直しをしながら言った。





「ソレは俺のなんだから。他のヤツになんか見せなくていいんだよ」

「な…っ!?」





それって、そんな飄々と言うセリフじゃないよね!?

なんで平然としてそんなセリフ言えるのよ!!





相良の言葉と一緒に。

さっきの感覚が甦る。

体温、心拍数共に急上昇。

腰の辺りから熱が上がってくるし、心臓はパクパクどころかバクバク音をたててる。





「…顔、赤い」

「はっ!?」

「なに思い出してんの?エロいな」

「違…っ!!」





何もかもお見通し、みたいな。

目を細めて唇の端っこを持ち上げる相良。

その余裕の表情に。

ますます身体が熱くなった。



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