嘘と微熱と甘い罠
ビクッ、と。
私の体が小さく揺れた。
それを相良は見逃さなかったらしく。
さっきより大きなため息を吐いた。
「…今月何回目?」
「…4回目」
お昼のランチ、仕事上がりのデート、土曜日のドライブ。
忙しい彼が「時間、作れそうだから」と誘ってくれた。
…にも関わらず。
全てドタキャンされてる。
忙しいのは会社としては業績アップに繋がるしいいことだ。
でも。
残業に休出ばっかりってどうなのよ!?
ちょっと働かせ過ぎじゃないの!?
…って。
喉元まで上がってくる言葉を。
飲み込んではため息に変えて吐き出してはいるんだけど。
そろそろ。
私も消化不良を起こしそうだ。