今日も彼女は自由に過ごす
彼女の存在
テスト
博也サイド
「今日テスト返しだよー」
「俺、今回のは自信あるんだ!」
「でもやっぱ一位はアイツだろー」
「ああ、河井博也?」
「クシュン」
噂されるだけでくしゃみは普通出ないだろう………
俺は重たい眼鏡をあげて、窓から見える青い空をみた
何の変化もない
つまんない空をただ見つめていた
結果は俺が一位なのだろう
毎回テストをやる度に俺が一位を取る
これは絶対だ
「じゃあテスト返すぞー。出席番号順に取りに来なさい」
解答用紙を見て喜ぶ奴もいれば、反対にショックを受ける奴もいる
そんな奴等を見て、俺は今日も優越感に浸るのだった
俺も解答用紙を貰い、席につく
10教科中、950点………
前より上がったな………
「んじゃあ、順位を張り出す。それで今日の授業は終わりだ。自由にしていい」
見に行くまでもないな………
寝よう………
机に伏せようとした時だった
「津川さん凄い!!こんなに頭良かったっけ!?」
「エヘヘ、今回のテストは頑張っちゃった」
「凄いよ!だって、あの河井くんを抜かすなんてありえないよ!」
え?
今、何て言った?
俺を抜かしただって?
ありえない?そんな事は絶対に
「てか10教科中1000点てお前カンニングしただろwww」
「してないよ!だって私、一番前の席でしょ?カンニングしたら先生にばれちゃうよ」
ありえない、ありえない
1000点とかなんなの?
ありえないだろう普通
百年に一度に産まれてくる神童じゃあるまいし………
不安でいっぱいになった俺は順位表を見に行った
『順位表
一位 津川悠里………1000点
二位 河井博也………. 950点
・
・
・ 』
嘘………だろ………?
何で?何で何で何で何で何で何で!!!
一番じゃないと………っ!
また母さんに…………っ!
『出来損ないが』
『お前みたいな奴が子供だなんて…』
「河井くん?大丈夫?」
顔をあげると津川悠里が俺の顔を心配そうに見ていた
「っ////」
可愛かった
綺麗だった
一瞬見惚れてしまった
だけどそんな事で俺の混乱が収まる筈もなく、津川悠里を睨んで保健室に行った