先生、教えて。
先生ってやっぱりバカだ。
あたしの嘘、簡単に信じないでよ…。
確かにあたしは嘘が上手だけど
自分勝手なこと言うけど
──信じないでほしかった。
素直で単純な先生が好きなのに、今ばかりはその性質は厄介でしかない。
あんなに好きだって伝えたのに、たった一言の「嫌い」で
先生の中では全て帳消しになってしまったんだ。
強く掴まれた手の温もりが、まだ両肩に残っていて…
あたしはドアに寄りかかり、そのままずるずるとへたり込んだ。