先生、教えて。



「ほら、手が止まってるよ?」





耳元で囁かれ、何とか手を動かすが


今度は耳を舐められ



「ぃやっ!!」




ザクッ。





悲鳴と共に、指に鈍い痛みが広がった。





「痛っ」


「切っちゃった?」





左手の人差し指が赤く染まっている。


結構深く切ったらしい。




「もう!先生のせ…」



いだよ、とぶつけようとした怒りは八代の行為に飲み込まれた。




八代は迷いなく二菜の細い指を、口内へ含んだのである。









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