先生、教えて。



あえてもう一度言おう。


あたしと「先生」の話は、これで終わりだ。






当然だ。

次に会ったとき、先生は教師じゃなくなっていたんだから。






そう。


次に先生に会ったのは

…正確に言うと見かけたのは、何とスクリーン越しだった。







勉強の合間に何気なくテレビをつけると、

今年の芥川賞、直木賞受賞者の記者会見が行われる様子が映っていた。





ボーっと見ていたあたしは、すぐに気付いた。






髪を黒く染めて、ピアスを付けていない。


きちんとネクタイを締めている。












でもそれは、紛れもなく────────…


















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