先生、教えて。
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そうして三佳子は、一人でバーで飲んでいた。
そんなに強い方ではないが、今は酔いたい気分だった。
年齢、性別問わず入りやすいそのバーは三佳子のお気に入りだ。
ついでに
「悔しいよぅ、マスター。
千葉のやつ、年下のくせに!」
うんうん、と優しく話を聞いてくれる初老のマスターも、三佳子のお気に入りである。
「低身長で大して格好良くないくせにっ。
それにどうしてあたしなのよ」
マスターが、ちらりと後ろを気にした気がする。
気のせいだろう。
「あたしは、旦那がいた時も不倫してたような奴なのに…。
他にもいるじゃない、飲みに付き合ってくれそうな女の子」
「いませんよ」
背後から突如降ってきた声に、三佳子は硬直した。
千葉が呆れたような表情で三佳子を見下ろしている。