先生、教えて。




ヤケにでもなったのだろうか。


唖然としている三佳子とマスターをよそに、

千葉はジョッキをテーブルに置く。



次いで

「帰ります」


と言った。




「えっ。もう?
何、あたしが言ったこと怒ってるの?」


「違います。証明しようかなって思って」


送り狼じゃないことを。




続いた言葉に、三佳子は思わず固まる。




財布をごそごそと鞄から引っ張り出している千葉を見るうちに冷静になり、慌てて


「ちょっと待って!」


と腕をつかんだ。







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